20世紀後半の1980年代に、カウンター・トレード(見返り貿易=CT)とよばれる型の取引例が増えた。米国商務省の資料などによれば、既に世界貿易の三割に達した。 1970年代半ばまで、カウンター・トレードといえば対東欧圏貿易での特例であった。しかし、累積債務国の支払い方策としてのカウンター・トレードの利用、貿易摩擦への保護主義的対応手段としての先進国での採用といった例が増えた。
カウンター・トレード(見返り貿易=CT)は、具体的には以下の形式があった。
カウンター・トレードは一般的には、世界貿易と決済の秩序を流動化させ、政治的要素を強めるものといえる。
管理された貿易、さらにはカウンター・トレードなどは、多国間の一定のルールに基づくものとして展開されるよりも、現状では2国間の個別取り決めにより展開される例が多い。
政治の介在余地を広げ、国際的には自由で効率的な物の流れを阻害し、国内的には産業の停滞と民生レベルでの不利益を招く懸念がある。
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